天才右打者「落合」が同じ天才右打者「内川」を評価
落合博満といえば、史上最強の右打者。
落合氏は、日本プロ野球史上唯一となる3度の3冠王で、通算2371安打
そんな落合氏が通算2000安打を達成したソフトバンク・内川の打撃を“オレ流”に解説。
両者は、右打者で歴代1位の7年連続打率3割以上という共通項があります。
3割を一度打つだけでも一流選手の中、7年連続ってすごいですね。。。
そして2人の右打ちは芸術の域です。
こちらが天才右バッターの内川選手の打撃フォーム連続写真です。
落合氏が解説するにあたって、一番重要視しなければいけないのは③④の2枚とのこと。
内川選手の良さがここにあるとのことで、この形が作れるから2000本ものヒットを積み重ねることができる。
↓以下落合氏談。
②から③へ左足を下ろしてくる時、手と足を一緒に上げていくタイプっていうのは足が下がってくる時に手も一緒に動くことが多い。ただ、内川はグリップエンドの位置が高いまま、腕が張れている状態を保つことができている。
トップ(スイングの動き出しの位置)が深い位置にあるのも特徴。ボールとの距離を作ることができている。いわゆる間があるから、いろいろな球種、コースに対応できるし、ボールだと思えば途中でバットを止めることもできる。スイングスピードも出る。体の遠いところから振りなさい、ということだ。
次にいいのは⑦⑧の振り抜き。⑦まで手首を返さず、最後までヘッドの遠心力を使えている。バットをこねていない。こね回すとバットが波打つ。最後は前へ放り投げるイメージ。到達点まで行ってから⑧で肘をたたんでフォローに持ってくる。最後、バットが肩のラインに収まっている。無理に上げすぎようとしていないのもいい。
あえて難を言うなら⑤で右膝が折れて、落ちてしまっている。そのせいで右肩のラインも下がって受ける形になってしまっている。④の肩のラインを保ったまま水平に回ってくれば理想だが、それを補えるだけのものが③④にある。理想のバッティングっていうのは試合ではなかなかできない。それはあくまで一番打ちやすいボールに限ったことだから。
試合は応用編。練習では理想のフォームで打てることができても、試合では相手も打たせまいと思って投げてくる。これはあくまで技術、応用編の世界。ただ③④までの打つための準備っていうのはいいものを作れるし、作らないといけない。準備ができるから対応できる。
③④と⑦⑧だけをみれば、シーズン30本塁打とかもっとホームランを打っていても不思議。
ただ、打席に入った時の意識の問題というか。
ヒットの延長がホームランというかね。
俺は現役の頃、ホームランの打ち損ないがヒットだと思っていた。
内川はホームランを狙いにいく感じではないと思う。
ヒットを打ちにいって、打ち損なってもヒットゾーンに運ぶというか。
それは人それぞれの意識の違いだから。
このスイングができればコース、球種に対応して満遍なく打てる。
グラウンドの幅も使えるしね。
内川は「右打ちが上手」って言うけど、覚えてしまえば簡単なこと。
フェアゾーンは360度の4分の1、90度しかない。
センターを中心に45度ずつと考えれば、あとはバットを出す角度だけだから。
それを覚えるか覚えないかだけの話で、内川にはその技術を得るために費やした時間があるということ。
とても落合氏らしいコメントですね。
落合氏も内川氏の打撃フォームを高評価。
天才同士しか理解できない部分もあるでしょうが。
覚えてしまえば簡単なことというコメントが特に落合氏らしい。
また2人の天才右打者の大きな違いは意識の違いがあるというのも印象的。
落合氏・・・ホームランの打ち損ないがヒットだ
内川選手・・・ヒットを打ちにいって、打ち損なってもヒットゾーンに運ぶ
内川選手のホームラン意識が強い選手ならどんな選手になっていたのだろう?と考えると楽しくなりますね。