理由①待ち合わせの時間に毎朝いけるとは限らない
実際に想像してください。「毎朝8時にあの道の角で待ち合わせしましょう」と約束して、本当に小学1年生の子が毎日その約束を守れると思いますか?
朝、トイレに行きたくなったり、着替えや食事なと、幼稚園保育園の送り迎えをしているママなら、毎日同じ時間に出来ないことは想像がつきますね。
また、それだけでなく、子供が小学校1年生では約束自体が難しいです。待ち合わせ場所を悪気なく素通りして待ち合わせ自体を忘れたり、待ち合わせした人数の把握などはもちろんできません。
その子の性格によっていくつかのパターンに分かれます。待ち合わせ場所に事前に来ていつも待っている、いつも遅れてくる、先に行ってしまうなど、同じ子が同じパターンを毎朝繰り返すことになるでしょう。
これは、可愛いトラブルに見えますが、過保護すぎるママが絡んでくることで大きなトラブルの元になります。
「うちの子が置いていかれたのは仲間はずれにされてるから」だとか、「ずっと待ってたのにあの子は待ってないなんて」と過保護なママが相手の親に文句を言うことから始まります。
理由②小学校1年生同士の連絡方法がない
待ち合わせ場所に行っても、いろいろな理由で会うことができず、家に戻ってきてしまい、小学校に遅刻した1年生をよく見ます。ママに「あの子と行ってね」と言われたのに会えないことでパニックになってしまいます。こういう子は真面目なのでしょう。
「会えなかったらひとりで小学校に行ってね」と親が言ったところで、子供の性格によりますが、自分で判断しきれず、遅刻するまで待ってしまったりします。
でも、会えない理由はいくつかあっても、子ども同士で連絡する方法がないのですから仕方がありません。加えて、登校約束を親がする子どもほど過保護に育てられているので、自分で適切な判断が出来ない子が多いのです。
こんな場合、過保護なママが登校約束で会えずに泣いて帰ってきた我が子をみて、理由をつけて相手の子を責めてくることがあります。
理由③幼稚園と小学校では子供の友達関係が変わる
幼稚園時代に仲良しだった子が小学校でそのまま仲良しかというとそんなことはありません。
幼稚園というのは大抵、親が仲良しなら子どもは仲良しになります。小学校になると、自我が出てきて、きちんと自分に合った友達を選ぶようになります。
親がいくら「この子と付き合ってほしい」と思っても、「付き合って欲しくない」と思っても、子どもは自分が好きな子としか一緒にいなくなります。
過保護な親と登校約束をしてしまった場合、この子供の成長過程がトラブルの原因になることがあります。自然と離れていく子供同士の友達関係を「いじめ」や「仲間外れ」と言った端的な言葉に置き換えて、相手のママを攻めてくるのです。
理由⓺子供の選択の自由を奪う
私は子どもは親が考えるより、自分で友達を作ったり新しい環境の中で自分の立ち位置を考えることが出来ると思います。
だから、逆に考えると、登下校を親が指定すると、子どもの友達を選ぶという選択の自由を奪ってしまうことになります。子供が自分で友達を選び、登下校の相手を自分で見つけることが小学校での勉強のひとつです。それは同じ幼稚園保育園でない可能性もあるのです。
それでも子どもはママが大好きですから、ママの言うことを聞こうとして、頑張って指定された友達に合わせようとするでしょう。
そんな不自由を子供にさせたいですか?
理由④子供の約束だかママ友の約束だかわからなくなる
待ち合わせ登校は子供のストレスになるのは書きましたが、ママにとっても毎朝の大きなストレスになるでしょう。
大人は「約束は必ず守るもの」だと思っているからです。だから待ち合わせの時間に間に合うように朝から自分の子供をガミガミと怒るようになります。それは子どものためではなく、「約束を破る子」「しつけができていない子」と思われたくないという自分の欲求です。ママ友の問題に良くあるのが、子供のためと言いながら自分が悪く思われたくないだけのことなのです。
きれいごとを言わないでください。登校約束をして困るのは最終的には親の私達です。それにつき合う子供は毎朝怒られて、それこそいい迷惑です。
次のページでは実際に起きたトラブルと登校約束をした子供がその後どうなったかをお伝えします。