少年野球は小学校時代しかできない
前回、少年野球を始める前にチェックするべきことを書きました。
少年野球は親のボランティアで成り立つもので、たくさんの負担があるのは事実です。それでも我が家が息子の小学校の野球部を続ける理由はそれ以上の理由があるから。入部して1年半がたち、少しずつそれが見えてきました。
少年野球をやらせるべきか、、、、
それは「子どもがやりたいなら、やらせるべきだ」と断言します。
そして、もし、子供が野球をやってみて合わなかったら、親のしがらみなど考えず、やめればいいだけの話です。少年野球が大変だという情報だけでやらせないというのは、とてももったいないと思います。こんなにも父親と息子がスポーツで密になることは、少年野球以外には思いつきません。少年野球の一番いいところは親と子供が一体になれることです。
私は現在、野球>仕事になっています。仕事はとても楽しいですが、正直私でなくても代わりはいくらでもいると思っています。自分の仕事については、子供が中学生になってからでもできますが、少年野球は子供が小学校時代しかできないのです。
子供に少年野球をやらせる10の理由
1、子供の運動神経、体力を伸ばすことができる
少年野球を始めると数カ月で他の子より運動能力が上がるのは目に見えて分かるようになります。毎週、何時間も走ったり、打つ投げるをしていれば当たり前の話ですが、本当に体が強くなり、筋肉がついてきます。そのため、めったに病気をしません。インフルエンザや水ぼうそうなどの流行病になったとしても、かなり軽く済むくらい体力が付いてきます。
運動能力=学力と比例する話は当たり前の話ですが、運動ができる子ほど集中力もあり、学校の成績もよい場合が多いです。
2、友達がたくさんできる
長男の学校生活、友達という観点から見ると野球部に入れば、全く心配することがありません。そのくらいチームワークが強いのです。クラス替えしても全く問題はありません。また、野球は学年が関係ないため、年上や年下の友達も多くでき、楽しい学校生活を送れます。もしも何か問題があっても、他の学年の野球部の仲間が助けてくれます。
また、もしも野球チームの中でなにかあったとしても、お父さんお母さんが必ず見ています。子供が悪いことをしたら、他の親が叱ってあたりまえという空気がありますし、同じ野球部の子は応援しているうちにわが子のようにかわいく思えてくるので、たくさんの親が自分の子供を見てくれるという安心の学校生活となります。
3、礼儀を学べる
野球部に入部して一番先に思うのがこれではないでしょうか?
まず、野球を始める前にグランドに一礼をする、相手チームに挨拶をする、試合の場合は何度挨拶するかわからないくらい帽子を取って挨拶をします。
声が小さかったり、挨拶があいまいだと、とにかく怒られます。
私は体育会系ではなかったのでこのような世界に初めはびっくりしましたが、おかげでうちの両親に会う時も、バスに乗る時も挨拶が自分からできるようになりました。
4、チームワークを学べる
子供というのはわがままで自分勝手が当たり前です。
だから、小学校生活で規律というのは学べるかもしれませんが、チームワークというのはスポーツが一番学べる場所ではないかと思うのです。
息子の友達に勉強はできるけれど、遊ぶときはゲームばかりという子が多いです。
友達とゲームしても基本ゲームの方を向いていて、遊んでいる友達と直接向き合って話しているわけではないのです。協力プレイというのがあるのだと思いますが、基本的にはチームワークとは呼べないものです。ゲームは負けたら終わりです。
野球は周りを見て、自分の立ち位置をきちんと考えなくてはなりません。
自分がバッターボックスで目立ちたくても、試合に勝つためにバントをしなければならないし、試合に出られなくてもベンチで仲間を応援するのも立派な仕事です。
エラーをしたら躊躇なく監督に交代を命じられます。ライバルが先発に選ばれて、自分が試合に出られなくても、それを心から応援する精神を学ぶことができます。友達のいいところを認めて応援し、自分の悔しい思いを努力という形で練習につなげることができます。
そして、相手を尊重し、自分を大切にすることを学びます。
私はこの精神がまっとうな人間をつくると思います。小学校高学年にもなると、反抗期になり相手の傷つくことをわざと言ったり、思いやりがあることや正しいことをするのが恥ずかしいと思う年齢になりますが、野球部の子は本当にありがとうと素直に言える子が多いです。
5、努力がきちんと形になって表れる
野球は努力した分だけ、成果となって表れるスポーツです。
全くできなくても、そりゃ毎週末練習してれば、誰でもうまくなりますが、それでも差が出てきます。試合での悔しい思いやライバルの成長があるからこそ、さらにやる気が出てできます。
野球のいいところは運動能力だけではないということです。自分が守備についたときにどんな球がくるか想定して動かなかければならないし、監督が出すサインを覚えなければならない。野球ノートに一日の反省を書かなければならない。日々の努力が成果となって表れます。
わが子も毎日素振りをして家が壊れそうですが、毎日本人なりの努力をしています。
6、夢を持つことができる
日本は野球の国です。
だからプロ野球はもちろん、高校野球もテレビで中継され、注目されます。高校野球のドラマや特集が組まれるくらいなのですから。また、我が家ではパパと息子でカルビーの野球カードを集めています。私からしたら、どうしてここまで野球に熱くなれるのか不思議なくらいですが、とにかく野球をするこということは、夢を持つということにつながるみたいです。大谷選手のようなスター選手がいることも夢を持つことができる一因です。
勉強ができて東大に入って政治家になるより、プロ野球選手になるほうがなぜか夢がある、それが日本ですし、スポーツのいいところです。
7、親と子が一体になれる
ここからは親に対しての子供に野球をやらせるべき理由にもなります。
とにかくパパと息子がここまで一体になれることはないのではないでしょうか?
前回、少年野球をやる上で負担があるというの記事にしましたが、負担があるというのはある意味「一緒につくりあげていく」ということです。
ママもそうですが、私は少年野球に入らなければ、こんなに息子の小学校生活に深くかかわることもなかったのではないかと思うのです。
勉強は基本はひとりでやるものですし、親が関わるとしてもどうしも「やりなさい」となってしまうものです。一緒に苦労して勉強を1から10までやるわけではありません。
でも少年野球についていうなら、親と子が一体になって作り上げていくものです。だから、子供は親に愛されている、近くて見ていてくれている、そう感じるからこそ、感謝の気持ちが親子の間でも湧くため、子供は不良になれないのです。また、親も子供と対等になることができます。
小学校に入ると親から明らかに構われていなくて、愛情不足の子が見ていてわかります。いじめっ子だったり、万引きをしたりは自分を親に見てほしいという表れだと思います。もし、子供に心配があるなら、少年野球に入ることをお勧めします。また、少年野球に入るような親の子はもともと親も子育てに熱心な人が多いため、考え方はいろいろあれど、まともな人が多いです。
8、アドラーの教える共同体感覚を理解することができる
これはアドラーを学ぶ人ならわかるかと思いますが、わからない方は「嫌われる勇気」という本を読んでください。
人間の対人関係のゴールは「共同体感覚にある」というものです。
実は私はアドラーに傾倒しているのですが、その教えの中で「課題の分離」や「対人関係を横の関係にすること」など理解できることは多くありました。
それでも、「共同体感覚」だけはどうしてもきれいごとにしか聞こえず、頭ではわかっていても感覚を理解することはできなかったのが本音です。
共同体感覚とは自分が共同体の一部であって中心ではないこと、そして人間が組織の中でだれもが求める所属感、その所属感はただそこにいるだけで得られるものではなく積極的にコミットすることで得られるものだということ。
私が野球チームに息子を入れてからもうすぐ2年、少年野球はアドラーのいう「共同体感覚」を理解するための最高の組織だと感じるのです。そして、少年野球に関わるうちに子供と自分は縦の関係から横の関係に自然とスライドしていきます。線を生きるのではなくて点を生きること、そして他社貢献へと自然となっていくのが少年野球です。
女姉妹で育った私には一生理解できなかった共同体感覚、息子が少年野球に入ったからこそ、感じることができたことに感謝です。そこには、先に野球チームに入っていたパパやママたちがいたからこそ感じることができたと思います。心の広い人たちがこんなにも身近にいたなんて知りませんでした。ママ友で悩んできた私が言うのだから、間違いありません。少年野球に入って私が得たものは息子が得たものより大きな哲学的観念かもしれません。
9、新しいコミュニティができる
子供もそうですが、親の私も、下の妹も新しいコミュニティができました。
いろいろな問題や人間関係のねじれはもちろん組織である以上ありますが、たくさんの世界を子供に見せてあげたいと思います。
子供が人間関係で悩んだりする大きな理由は、その世界しかないと思ってしまうからだ、と私は思うのです。わが子には小学校の学校生活だけではないコミュニティを感じてもらい、自分のいる世界はひとつではないのだと感じてほしいと思います。
10、とにかく楽しい!
とにかく毎週楽しいです!お弁当作りや早起きなど文句を言いたくなりますが、なんだかんだ言って楽しいです。
友達が増え、目標がふえ、予定が増えて、遊ぶ暇がないくらいです。
楽しくなるのは少し時間が経ってからなので、最初の1年は我慢してみてください。どんどんいろんな経験が増えてきて、続けていれば子供だけではなく親の自分にも新しい発見が必ずありますから。